【パレスチナ自治区ヘブロン】”本当の被害者”

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おそるおそる、エルサレムの街からパレスチナ自治区ヘブロンへ、ローカルバスで向かった。

 

心境としては、「本当に大丈夫だろうか」 という不安は少なからずあった。

複数人で共に行動しているし、紛争地帯のガザ地区に行くわけでもないが。でも、大丈夫だろうか。

 




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パレスチナ自治区へ出入りするためには、ここを通らなければならない。

簡易的な国境のような、自治区への入り口である。

もちろん、荷物検査もしっかり行われる。

逆に言えば、パレスチナ自治区の人々は、ここを通らなければ外へ出ることは出来ない。

この錆びた鉄格子が、気持ち悪い。

 

 

パレスチナ自治区とは、イスラエルの中にあるパレスチナ人による自治区。

 

~ 経緯 ~

(分かりやすいよう簡略してます。)

 

(ユダヤ人がナチスドイツに迫害を受け、逃げてきたのが、現在のイスラエルの場所

そこにユダヤ人国家を作ろうとするが、そこには元々パレスチナ人が住んでいた。

パレスチナ人を武力で、レバノン・ヨルダンなどの近隣諸国へ追い出す。

そして、その追い出されたパレスチナ人が残ったのが

よくニュースで聞く、「ガザ地区」、「ヨルダン川西岸」である。

そしてユダヤ人の国家「イスラエル」が誕生するが、未だにガザ地区等では紛争が起きている)

 

つまり、現在のパレスチナ自治区に、パレスチナ人は追い出され、分離壁(アパルトヘイト)で包囲されているのである。

パレスチナ人からすれば、そのために多くの人を殺害され、土地を奪われた大悲劇。

恨み反乱を起こすわけである。それが日本のニュースでも流れるガザ地区の紛争等。

 

だが、この問題はもっと複雑で、イスラエルが世界の縮図とも呼ばれる所以である。(下記)

 

 

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街を歩いてみると、当然だが人々が日常を生活している。

最初は警戒しつつ、様子を見ながら、隙を見て撮影している。

が、思ったよりも街は落ち着いた雰囲気。

 

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パレスチナ自治区に住んでいるのは、パレスチナ人だけではない。

街を見渡すと、わりと↑写真のようなイスラエルの国旗が見える。

パレスチナ自治区に入植している、イスラエル人達である。

パレスチナ人の目線で言えば、この狭い鳥籠の中で、さらにじわじわと土地が奪われ追い詰められていく感覚だろうか。

イスラエルの国旗と、パレスチナの国旗が混在しているのである。

↓パレスチナの国旗

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差別もあるそうだ。

建物の上部に暮らすイスラエル人が、ゴミ箱のように物を投げ捨てたりするらしい。

(下部で生活しているパレスチナ人に対して)

そ、の、た、め、の、網である。

 

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きっと、この文章だけを読むと

イスラエル人は、ひどいな。と思うかもしれない。

しかし、パレスチナ自治区問題は複雑で一概にそうとも言い難いのである。

 

パレスチナ自治区も含めて、イスラエルは世界の縮図とも言われる。

ここで起きている問題は、パレスチナ人、イスラエル人だけの問題ではない。

背景には原因となったイギリスの二枚舌外交や、富豪族ユダヤ人を支える米国が大きく関わっている。

だから、解決すべき国連が尻込みしているのである。

他国を利用した大国の傲慢な外交政治だったり、重要な資金源との癒着、宗教間の対立

調べてみると、様々な事情が複雑に絡んでいるみたいである。

 

 

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だからこそ、イスラエルは、世界の縮図と言われている

人間の欲、金、宗教、人種、様々な糸が複雑に絡まり合い

ピンと張りつめた糸達の集合体が混沌の街を形成しているように見える。

 

 

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なぜ、人が鳥籠の中(アパルトヘイト)で、暮らさなければならないのか。

世界は、どうも複雑である。

 

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街を歩いていると、少し空気がピリッとした雰囲気の場所に来た。

複数人でいたのだが、誰が何を言うわけでもなく、「これ以上行くか、行かないか」を皆考える

チキンな僕は「やめときますか?」と声を掛けようとすると

皆は「もう少し行きますか。」と言っている。

 

ほぉ。

さすがイスラエルのパレスチナ自治区に来る旅人どもは冒険心が強い。

1人引き返す方がよっぽど嫌だと思い、さらに奥へ続いた。

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銃痕がいくつもある。

 

大きな銃を持った若そうな兵が1人いたので、声を掛けた。

僕らのような旅人は何人もみているのだろう、笑顔で挨拶を交わしいくつか質問をした。

どうやら、その男は自分よりも若い21歳ほどで

(イスラエルではは18歳から男は徴兵制3年、女はおよそ2年の兵役がある。)

 

このかなり広いエリアを1人で長時間交代制で監視し続けなければならないらしい。

いつ何が起きるかわからない

この緊迫状態で銃を持ち続けるのは精神的にかなり辛いものがある。

そして、何より全身迷彩服に似合わず、とても優しく少年の目をしていたのが印象的だった。

 

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僕の主観で一概には言えないが

彼も、このパレスチナ自治区の被害者の1人のように思えた。

鳥籠のなかで、銃を持ちながら人間の監視役なんて、やりたくないに決まっている。

 

やはり、人間が人間を鳥籠で生活させるのは異常である。

 

 

日本で言えば、大学生で就活どうしようかと悩んでいる年頃だろうか。

彼が抱えているものを想像すると、自分がその年頃抱えていた悩みなど

なんて小さく、くそったれだったんだろう。

 

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その後もずっと、その青年と、自分の環境を比較している自分がいた。

年もそれほど離れていないから、重ね合わせやすいのもあったと思う。

この、胃がゴロゴロするような、すごくモヤモヤする感情はなんだろう。

 

恵まれた環境で、怠惰に生きていた自分だろうか。

彼のような、存在を知らなかった自分だろうか。

兎に角、今まで自分が生きてきた中で抱えた悩みが、とんでもなく小さく思えた。

 

 

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世の中は不平等だ。

パレスチナ人としてこの地域に生まれれば、

この狭い鳥籠のなかで監視されながら生活をしなければならない。

同じこの地域でもイスラエル人として生まれれば、自由に生活できる。

不平等以外の何ものでもない。

 

 

そして、僕はただの傍観者だ。

世の不平等を目の当たりにして、他の人間と自分の環境を比べ

日本は、自分はなんて恵まれている環境なんだろうと関心して、

目の前の不平等に何か行動する訳でもない。

例えばガザ地区で何十人殺された、というニュースを見ても

「かわいそう」で、終わってしまう傍観者である。

パレスチナ自治区ではなくても

たった今も戦争で大量の人間が殺されたり、食糧不足で餓死している場所だってある。

僕はただの傍観者だ。

 

 

そんな自己嫌悪のような感情が一周すると

こうやって、旅をして様々な環境で生きる人間と出逢うことは

やはり、貴重な経験だな、と思うのである。

この世界は不平等で残酷で、ただの傍観者だけれども

少しでも自分の目で見ることができて良かったと。

 

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