さて、旅を終えてから写真展をやる、その気持ちを思うまま書き残しておこう。
写真展をやると決めたのは、日本一周を終え、世界一周が始まる前のことである。
夢であった日本一周の旅を叶えながら、世界一周を夢見るのは最高だったから
世界一周のあとの夢もつくることにしたのだ。
それが、旅の写真展。
写真を撮るのが好きだったし、自分自身の旅を伝え感動を共有したかった。
旅で出逢った人々との再会の場所にもできる。
もう1つ大きな理由がある。もともと自分自身が今後何がしたいかなんて、実際のところ無くて
旅中も悶々と考えることも多い。まあ、無い中で自分なりに出した答えが、旅をすること。
つまり、もっと色んな世界を自分の目で見たいということだった。
そして、自転車日本一周の旅が終わったとき、僕にはなぜだか虚無感があった。
燃え尽き症候群の一種かもしれない。
夢が終わった。そして、次の世界一周の夢が待っている。
というのに僕は、本当にこの人生でしたいことが未だに見出せない。
“ 何もできない ” ということに気付いた。
日本一周の旅を自転車でしたからといって、何が出来るようになるわけではない。
一言で言ってしまえば “ 自分の人生への焦り ” だ。
本当にやりたいことを探し始めてから、時は僅か。すぐに見つかるものでもない。
そんなことはわかっているけどもやっぱり、焦る。僕がほしいものは、
“ これは自分なら出来るという何か ” “自分にしかできない何か”
何か自分の武器がほしい。
以前と比べると、自分が求めるものは変化したのかもしれない。
自分には今までの人生で、これをしたんだ!と言えるものが無くて後悔して
日本一周、世界一周の旅をしようと思ったのもあるが、今は何か、これができるんだ!と言えるものがほしい。
そして、単純に “ 写真 ” を上手く撮れるようになりたかったから、写真展を目標にしたのだ。
写真というものを、自分の人生の中で、1つの武器にしたい。写真で、自分自身を表現したい。
そのときの自分は、本当に実現するかわからないほど、下手だった。(今でも下手だと思ってるけど笑)
旅を始めると共にカメラを買ったド素人。よくやろうと思ったものである。
実は、海外の旅が始まっても、上手く撮れずにいた。
そりゃー個人で勝手に写真展開くだけだから、どんな下手でもやろうと思えばできるんだけど
すごい不安だった。こんな写真で、写真展ができるのかって。
そして不運にも、旅半ばイランでカメラの盗難に遭う。(データは大丈夫だった!)
でもやっぱり次の夢は諦めきれなかったから、日本からわざわざ新しいカメラを買って送ってもらった。
その間1ヶ月、カメラの無い旅。写真が撮れないとなんだか味気無く感じ、やっぱり写真が好きだなと思った。
そのあとから、旅の中でも写真にかける時間が多くなったように思う。
帰国すると、さらに不運。家のパソコンが壊れてる。
(※カメラと共に持っていたパソコンが盗難され、一緒に送ってもらったのだがそれも故障してPC2台失くした上に)
データの管理や編集するにはPCは必須。
帰国してまずやったことは、無一文だったため新しいPCを借金して買うことだった。
編集ソフトも帰国後に初めて使うという、旅をするときと同じゼロからのスタート
そこからアルバイトでお金を貯めながら、準備をしていった。
1万枚以上の写真の中から十数枚を選ぶのは苦難の作業だったり、
写真を引き伸ばしてみると、違う印象を受けたり。紙質によっても、光の当たり具合でも見え方感じ方が違う。
会場の雰囲気や、額装の雰囲気でも変わってくる。未知のことが多くて、すごく楽しかった。
逆に、自信を無くしてしまう期間もあったりした。
こんな写真で、喜んでもらえるのかとか、がっかりされないだろうかとか。
結局、そんなの知るかー!!! あー、もうやってみないとわからん!!!実験実験!って立ち直るんだけど(笑
直前になって1番感じていることは、やはり
自分は恵まれている環境にいるんだな、ということを実感している。
カメラを無くしたって、パソコンが壊れたって、お金が0からだって、自分自身の夢を実現できるから。
旅をしていろんな世界を見たからこそ、そう思うのかもしれない。
書いてて思ったが、初海外でインドを旅したときから思っていることはずっと同じだ。
カメラを買うことが、ある人にとってはどんなに高価なもので、贅沢品なのだろうか。
探せばいくらでもあるアルバイトで、お金を稼げることが、ある人にとってはどんなに素晴らしいことだろうか。
“ 諦めない ” と思うのはきっと、“ やろうと思えばできる ” そういう恵まれた環境にいるんだっていう自覚があるからだ。
今回の旅においてもそう。
その自覚があるからこそ、もし、自分のやりたいことを諦めたとしたら誰のせいでもなく自分の責任になる。
そこの自分自身の葛藤にどこまで打ち勝つことができるのか、それは挑戦である。
それは旅と同じで、歩き続ければ新しい景色が見えてくる。感動がそこには待っているから、そうしたいと思う。
そういう意味で、旅をし続けたい。
実際、旅の後の目標を持って本当に良かったと思うし、良い経験になった。
新しい世界を見ることができた。自分の可能性が広がった。
あとは、旅の感動を共有できたら嬉しいな。
欲を言えばその中で、僕自身が旅の中で経験した、自分の人生と向き合う孤独感みたいなのも共有したい。
7:3ぐらいの想いかな~。やっぱり自分がしてきた旅を見て欲しい、感動を届けたいってのが一番。
あとはこうやって、やろうと思えばできる、実現できるってことも伝えたいかなぁ。
自身の旅をもっと表現したい人はたくさんいるはずだし、そうなってほしいと思うし。
旅は自由で、表現するのもとことん自由だな~
大事なのは、旅(写真展)をした後また新たな一歩を踏み出せるか。
「今」、なにかに向かっているか。なんじゃないかなって最近おもう。
さて、次の夢は~
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