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旅と僕と、ブルガリアに届いた新一眼レフ ~ 旅第二章のはじまり ~

 

         

 


    

 

 

イランの盗難事件にて、電子機器全滅

トルコのトラブゾンにて2週間の沈没後

日本から送ってもらった新しい一眼レフを受け取りに

東欧はブルガリアへ。

再びカメラを手に入れ始まった、旅の第二章。

(前記事:失って気付くもの、日常を捨てて旅に出ること。 ~トラブゾン沈没の2週間~

 

 


 

 

ついに、届いた。

 

 

トルコの港町トラブゾンで2週間

そして、ブルガリアの首都ソフィアで1週間

待望の一眼レフが日本からちゃんと届いたのだ!

 

 

 

 

イランでの盗難から約1ヶ月

僕は好きな写真を1度も撮れずにいたから、中央郵便局でカメラを受け取ったときは

空腹の犬にエサを与えられたように興奮気味で、宿まで早歩きで戻って箱から出してはすぐに外に飛び出た。

 

 

 

 

なぜ、こうもカメラを持っているだけで、世界を見る視点が変わるのだろうか。

街の雰囲気、色、音、光、影、動きが鮮明に見える気がした。

 

 

 

 

いつの間にか、旅とカメラは切っても切れない存在となっていることに気が付いた。

写真展という目標を掲げたからだろうか。

それとも、写真が持つ力に引き込まれたのだろうか。

 

 

 

 

やっぱり、写真が好きだ。

カメラを持って、旅するのが好きだ。

 

 

前のカメラは、自転車日本一周のときから使っていたやつで

何度も落としたり、雨に濡れたり、

かなり劣化していからちょうどよかったのかもしれない。

 

 

1ヶ月もカメラに触ってないと、なんだか下手になった気がする。

だけれど、目の前の瞬間を撮りたい気持ちは前よりずっと強い。

新しいカメラの慣れない操作に戸惑いながら、肌寒さに手がかじかみながら無造作にシャッターを切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで、街を楽しく彷徨える。

シャッター音と共に、写真を撮りたい欲がどんどん溢れてくる。今は、なんでもいい。

 

 

18mm-35mmのF1.8

広角の明るいレンズは新鮮である。

今まで使っていたのは18-200の安いズームレンズだったから

絞り具合や、画角に慣れるのに思ったより時間がかかりそうだ。

明るい分、感度を上げれば、夜でもシャッタースピードが稼げてある程度撮ることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東欧、特にブルガリアの物価は安い。

ピザは、120円ほどあれば、大きなピザの六分の1サイズほど食べれるし

ビールは2リットルで150円もしないほどである。

ワインもビールも、大して水と値段が変わらないのだ。

だから、泊まっていた宿では、夕飯時には毎日ビールが一杯タダで飲める。

それに加えて、買ってきたビールやワインを他の旅人と毎日飲むのが楽しい一時。

 

 

このブルガリアでの沈没中、宿の自由に使えるインターネットで写真の基礎知識を勉強していた。

実は、カメラは旅をする前に買っただけであって、写真展をやると言っても知識もほとんど無かったのだ。

そう思うと良い機会だったのかもしれない。

実際、今まで東南アジアで撮ってきた写真とは、自分でも変わったように思う。

 

 

 

 

折り畳み式のコンビニのような露店

 

 

 

 

 

写真は、自由だ。

 

 

自分の感じたように、撮っていい。

自分の好きなように、表現していい。

どこに行ったっていい。

どんな旅をしてもいい。

その瞬間を自分の好きなように切り取っていい。

 

 

もっと写真を上手に撮れたのなら、もっと自分の旅を。

世界中で見た感動の景色を、旅で感じたことを表現できるのに――。

 

 

 

 

写真は、鏡でもある。

自分自身の人間味が写真に映るらしい。

 

 

だから旅をすることで、未知の新しい世界に出逢い、僕の世界も変化して、それと共に写真も変化していく。

それを形に残すことで、僕が世界中を旅した足跡を残しているようにも思える。

世界中を旅をすることで生きた足跡を残し、写真を撮ることで足跡を見つめ直しているようでもある。

 

 

カメラを再び手にしたことで、旅の第二章のようなものが始まった気がした。

この世界を、撮るんだ。