それでも、イランが大好きだ。 盗難事件により、電子機器全消滅の巻


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人生最高の感動ヒマラヤトレッキングを終え

東南アジア最終国であるネパールを出た

行先は、異国中の異国、中東イラン

そして恐れていた事件が遂に起こってしまった

旅が、大きく変化することになる

(前記事:【 最終話 】 感動のヒマラヤトレッキング ~ 忘れぬ感動、僕は銀河の塵 ~ 






 

 

イラン最終日、旅を大きく変えた事件が 起こった。

 

 

あえて先に言っておこう。

この事件があったにも関わらず、イランは世界一周40カ国の中で一番面白かった国だ。

 

 

真昼間、イランの首都であるテヘランのバスターミナルに到着した。

2週間滞在のビザだったため日数に余裕が無く、

テヘランは都会で退屈だという旅人の噂を聞いて飛ばすことにしたのだ。

そして、そのまま西のトルコのほうへ陸路で通過しようと思っていた。

 

 

イランという国は、中東のイメージをぶち壊した国だった。

よくニュースで見る紛争の映像によって、中東は危険だという先入観が作られていたから。

それでも行こうと決めたのは、出逢った旅人たちの尋常ではない面白かったという声を聞いたからだ。

 

「行けばわかる」

 

繰り返しそう言われた。

それは、その地がいかに面白いかを表した旅人の合言葉だ。

そういった人との出逢いから、旅のルートが大幅に変わるから、旅は面白いものである。

実際、最初はイランに行くなんて全く考えてもいなかったし、正直行くのは怖いと感じていた。

 

 

東南アジアから、中東への大移動は、実に刺激的だ。

顔、服、料理、文化、言語、建物、全てが一気に変わっていく。

新鮮すぎる世界に、子供のように目を丸くしてあたりを見渡す。

 

 

イランはイスラム教(シーア派が多数)を信仰する人が大半で、女性の身体は黒い布に覆われ

髪の毛も宗教上の理由で隠されている。しかし、ジーンズを着ている人もいたりして、信仰の度合いが

服装で大よそわかるように思えた。街には靴屋が異常に多く、彼女らがファッションを楽しめるアイテムらしい。

1日に何回か、イスラム信仰者に礼拝を呼びかけるアザーンが、街中に響き渡る。

その光景は、僕にとっては異国感で満ち溢れていた。

 

 

 

何よりも、僕のイメージとのギャップを感じたのは、彼らの “おもてなし精神” だ。

行けばわかるが、彼らの旅人たちに対する優しさはどう考えても異常なのだ。

 

 

例えば、僕は街中の路線バスで料金を払ったことがない。

なぜなら、下車するときに誰かが一緒に払ってくれているのだ。

 

例えば、道を歩いているとしよう。

「 どこへ行こうとしてるんだ? 」 と、車の窓から声がかかる。

つまり、逆ヒッチハイク状態で、実際に連れてってくれるのだ。

 

 

それにとどまらず、彼らは家にすぐ招待してくれる。

御馳走のディナーを出してくれるし、友人宅にわざわざ引っ張り出されて紹介されたり。

訪れる前の中東の危険なイメージで、中東全てがそうだと信じていたかと思うと

情報だけで造られた自分の価値観がなんて適当で、現実と異なっているのだろうかと思えた。

もちろん、国境付近などには危険地帯もあるが。

 

 

ほとんど英語は通じないが、泊めてくれた22歳の青年に聞いてみた。

 

「なぜ、イランの人たちはこんなにも優しいんだ?」

 

彼は当たり前のように、笑って答えた。

 

「ゲストには、最善を尽くせっていうのがイスラムの教えだからね」

 

親日国というのもあるが、それだけで見ず知らずのものにここまで尽くせる彼らの精神が不思議だった。

ちなみに、「キャプテン翼」 や ドラマ 「 おしん 」 はイランでの認知度は99%ほどである。

 

「若林!若林!」

 

と言いながら、ゴールキーパーの真似をすれば鉄板でうけるのだ。

 

 

イランという不思議な国を楽しみながら、僕は首都テヘランのバスターミナルに着いた。

係員に聞いてみるとどうやら、国境近くの街へ行くには、

違う長距離バスターミナルからしか出ていないらしい。

しかも、市街のバスを2本乗り換えという、とてもわかりにくい移動だった。

 

1本目のバス停に着いたが、どのバスが次の目的地まで向かうかわからず、ある1人の男に声をかけた。

 

「タブリーズ行きのバスターミナルに行きたいんだけど、このバスで合ってる?」

 

160cmも無さそうな小柄で愛想の良い男は言った。

 

「自分もちょうどそこまでいくところだから、一緒に行こう」

 

 

実際は、ほとんどジェスチャーだが。

イランでは英語の通じなさに加えて、ペルシャ語のわからなさが尋常ではない。

ペルシャ語では、数字の表記も何がなんだかわからないほどである。

 

 

2本目のバス停前で待っていたとき、僕は肩が疲れて背負っていたバッグパックと

手前に抱えていたサブバッグを地面に下ろした。

バスが来ると、彼は僕のサブバッグを背負い、車内に運んでくれた。

車内でも僕との距離は30cmほどで、僕のサブバッグを彼が持っていることに何の疑いも無かったのだ。

 

 

 

突然、事件は起きた。

 

 

 

目的地まで、あと3つ。

急に車内に人がなだれ込み僕は車内の奥に流されてしまった。

日本の満員電車のような状態で、僕のバッグを持った彼を見失ってしまったのだ。

しかも、彼は小柄で人の影に埋もれている。

発車してから冷静に考えると、まあ一応次のバス停でバッグを返してもらおうという気になった。

 

 

 

しかし、次のバス停で彼を探したが、いなかった――。

 

 

 

僕は少しパニック状態で、乗客に涙声で叫んだ。

 

「頼む!バスを止めてくれ!バスを止めてくれ!」

 

 

 

運よく1人だけ、英語のわかる人がいて話を聞いてくれた。

 

 

「背の小さい、黒いバッグを背負ったやつを見なかったか!?」

 

「ああ、あいつなら1つ前のバス停で降りていったぞ。」

 

 

どうやら彼を見失ったときのバス停で、既に降りていたのだ!

 

 

「バッグが盗まれた!あのバッグには、iphoneと一眼レフと、パソコンと、、コンデジと。

どうしよう・・・、どうしよう・・・」

 

 

一番楽しかった国なのに、イランの写真はまだ移してないから全消滅だ。

写真展を目標にしていたのに、15万円で買ったカメラさえも失った。

本出版も夢だったのに、パソコンにメモしていた今までの旅記も全て消えた。

電子機器、全滅。

 

 

彼は冷静に答えた。

 

 

「お前は、そいつと友達なのか?」

 

「いや、さっきバス停で出逢って、案内してもらってたんだ」

 

「さっき出逢った見ず知らずのやつに、どうしてバッグを預けたんだ?

イランの人は本当に優しいけど、全員が全員そうじゃないぞ。

それにしても悪いやつだ、、ごめんな。」

 

 

全くその通りだ、僕はバカだった。

引き返すことも考えたが、もう手遅れだ。

そのとき、旅に慣れてきて自分の気が抜けていたことに、初めて気が付いた。

どう言い訳もつかない、知らない人間を過信しすぎた僕の失敗だ。

全て一度に失った配慮の無い電子機器の配置と、考慮の無さに自分がとてつもない阿保に感じる。

こんなことも考えずにフラフラと海外をほっつき回り、何が夢だ。

 

 

イランという、こんなにもホスピタリティの高い国で、まさか。まさか、自分が――。

僕から話かけた温和そうな人間であったから、何も警戒していなかった。

しかし、彼はそんな高額なものが中身だとは知らないはずだ。

たまたま、今逃げればこのバッグを盗めるという状況から思い立ったのだろう

という推測に至った。

 

 

そうだ、海外旅行保険の盗難保険が効くかもしれない。

長距離バスターミナルのところに、警察署があると聞き、とりあえずそこまで向かうことにした。

事件から10分ほどで到着。そのときには、僕は自分で変態だと思うほど、その事件を受け入れ前向きになっていた。

旅は、こうでなくっちゃ。こういうときこそ、自分の人間の強さが試されてるんだ。

高額な物を手に入れて、ラッキーだったな。あいつは。

 

 

と思ったのも束の間。警察は、全くあてにならなかったのだ。

まず、英語が全く通じない。

ほかの警官を呼んできて、署内に入ってきたと思ったらそいつは冗談で笑いながらこう言った。

 

「アーユーテロリスト?ハハハハ」

 

僕はブチ切れ寸前でそいつを睨みつけた。

だめだ、こいつら。

とにかく英語を通訳出来る人を探そうと思ってバスターミナル内の建物に入ると奇跡が起きた。

たまたま、日本に数年間在住していたイラン人が日本語で声をかけてきたのだ。

他愛もない話で盛り上がったあと、申し訳なさそうに話を切り出した。

 

 

「 実はね。さっきバッグを盗まれちゃって、警察で証明書がほしいんだけど、少し通訳してほしいんだ。」

 

 

彼は受け入れてくれ、紳士的に警察と僕を仲介してくれた。

なかなか証明書を発行してくれず、いろんなところにたらい回しをされ、

日本の保険会社にその状況を電話で伝えた。

何時間もかかって外は真っ暗。結局、証明書はもらえなかった。(状況を伝えていたから、保険降りた)

何時間も付き合ってくれた郷ひろみ似の彼は、本当に優しい人間だった。

 

 

「 本当に、本当に、ごめんなさいね。でも、イランの人はみんなが悪い人じゃないですから。

うちにね、使ってないカメラあるから、上げようか?」

 

 

僕の不注意で起こした事件に、ここまでやってくれて、彼が盗んだわけじゃないのに

謝ってくれて、その上に見ず知らずの僕に自分のカメラも僕にプレゼントしようとしてくれる。

僕は少しウルッときた。

 

 

「 大丈夫、大丈夫!写真は無くなっちゃったけど、忘れられない思い出ができたし、

いろいろ助けてくれて有難うね。僕、イラン好きだよ。君みたいな優しい人がたくさんいるから。

また来るよ。」

 

 

彼は安心した顔で、爽やかな笑顔を見せてくれた。

 

 

「そうですか。私もそろそろ帰らなくちゃ。またイランに来てね。」

 

 

やっぱり、イランは好きだ。

盗難されても、されなくても、一番楽しかった国ということに変わりは無かったのだ。

もしもイランに来ていなかったら、訪れる前の“中東”という漠然としたイメージのままだったはず。

こうして自分の未知の地を訪れて、モノクロの写真が徐々に色付いてくるような感覚が好きだ。

僕は彼と握手を交わして、ありがとう、ありがとうと頭を下げて夜行バスに乗り込んだ。

 

 

 

油断して一眼レフ・iphone・パソコンなどを失ったが、パスポートもクレジットカードもある。

まだ、旅は続けられる。

身に危険が無かっただけ、運が良かったとしよう。

何を盗まれようとも、生きていれば良し。

それぐらいの覚悟は元々あったから、思ったより落ち着いている自分がいる。

 

 

「こういうときこそ、前を向くのだ。」

と、心の奥から何度も聞こえてくる。旅人のM精神である。

 

 

世界を彷徨いながら、バラエティー豊富な壁どもにぶつかりながら、それでも前を向くのだ。

旅は、未知の世界であらゆる自分の力を試される場でもあり、自分自身と対峙する場でもあり、

不安定なこの世界で前を向いて生きる力を養う場でもある。

何が起きるかわからない旅だからこそ、何が起きるかわからないのが人生だからこそ、

こういうときに、前を向ける人間になりたいのだ。

 

 

と言っても、電子機器を全て失ったことは旅を続ける上では大した事件ではないかもしれない。

それより、どうやってそれ無しに旅後に描いた目標に向かっていくかが、問題である。

こういう気が抜けたときこそ、大きな事件に巻き込まれるものなのだと思った。

まだ、旅は長い。気をつけなければ。

 

 

その事件から、写真展の目標も、本の執筆も、更新していたブログも、しばらく停止した。

(この事件により、僕のブログはこうして追憶での旅記となり、イランの写真が無いのである。)

イランでのイスラム教(シーア派)最大の祭りアシュラーに参加したこと

綺麗なモスクの夜景、秘境スポットのアブヤーネ村での感動の朝陽

これらの写真を失ったこと(イラン以外は残っている)、今までの旅記を失ったことは、後悔しきれない。

 

 

本当はコーカサス地方(グルジア・アルメニア・アゼルバイジャン)にも寄りたかったのだが、

そのままトルコに向かうことにした。どうにもカメラが無いと、旅欲が湧き出てこない。

トルコ北東部の黒海に面した素朴な街、「トラブゾン」で少しゆっくりしよう。

 

 

トラブゾンで、この旅最長の沈没をした。

何もやることのないこの街で、僕は2週間という時を過ごした。

そしてこの事件をきっかけに、これからの旅をトラブゾンで模索しているうち

「写真」 というものが、自分の旅の中で大きな存在となっていったのだ。

 

 

このタイミングで盗難にあったのは、僕にとっては転機だったのかもしれない。

失ったものも大きかったが、その分、得たものがあった。

何かを得ようと、必死になったのだ。

 

 

 

次回

 

『 人が死ぬ瞬間を目撃してしまった旅先での感情

~ イラン盗難事件の前兆 ~

実は、この事件の前日に、嫌な予感がしていた。

 

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