世界一周の旅で、今が一番高揚していると感じている。
もう日本を出発してから8ヶ月が経ったらしい。
次で27カ国目である。
日本を出発した日の、不安8割、希望2割の旅前独特の感情を今再び感じている。
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大陸間を船で移動するなんてロマンの塊である。
遂にスペインから、船を使ってアフリカ大陸へ上陸するのだ!
スペインからアフリカ大陸のモロッコまでは、実はこんなに近いのである。
スペイン港町「タリファ」からモロッコ「タンジェ」までおよそ50km
ジブラルタル海峡を越えていく。
高速船に乗ってしまえば、1時間ちょっとでヨーロッパからアフリカへ行けるのだ。
ヨーロッパからジブラルタル海峡を越えて船でアフリカ大陸へ上陸。
なんて素晴らしい響きだ。
早朝便に乗り、モロッコへ突入する。
フェリーは思ったよりもしっかりしている。
自分と似たような欧米人の旅人もいれば、スカーフを身にまとったモロッコ人と思える人々が乗船していく。
席はもちろん、窓側。
およそ1時間30分ほどの航海。
僕はこの景色と、今感じている高揚感を一生忘れたく無いと思い
じっと大西洋の地平線を眺め続けた。
今までの旅、これからの旅に思いを馳せながら感じたこと、ありのまま旅記にペンを走らせる。
アフリカ大陸に行くか、行かないか
それは今回の旅の中で最重要の選択であった。
それはモロッコだけではなく、アフリカ大陸を縦断するか、という選択である。
その選択をすればモロッコの後にケニアからアフリカ最南端までの国々10各国程をまわることになる。
最初の予定ではアフリカには立ち寄らない予定だった。
なぜ予定に入れてなかったのかと言えば、怖いかったからだ。
さらにはイランで目の前で人が死ぬ瞬間を見て、
リスクを冒して旅をすることにさえ疑問を持っていた。
人が死ぬ瞬間を目撃してしまった旅先での感情 ~ イラン盗難事件の前兆 ~
中東を旅していたあたりから、アフリカへ行こうか、行かないかの選択はずっと迷っていた。
ヨーロッパを旅していたときも、ずっとだ。
その気持ちが芽生えたのは、アフリカを旅した旅人の体験談を直接聞いたのと
東南アジアで貧困で恵まれない子供たちや環境を見たこと
そして、イスラエル自治区でも鳥籠と言われる壁の中で生活する人々を見たこと。
パレスチナ自治区 ~ 悲しき分離壁に無数に描かれたアートたち(心の叫び)
僕は、彼らを見て自分の環境がいかに恵まれているかを知った。
自分は、旅をしようと思えばできる環境にある。
他の文化を経験し、見れることがいかに貴重な経験
で恵まれているかと思うようになっていた。
旅がしたくて、旅ができる。それは当たり前ではない。それを知ったのだ。
もしかすると、ただ旅をしている自分を肯定しようとしていたのかもしれないが。
そしてアフリカ大陸に近づくにつれ、選択は揺らいだ。
やっぱり辞めよう。やっぱり行こうの繰り返し。
次第に、いつの間にか芽生えたある思考が頭から離れなくなった。
「今、行かなければ一生アフリカの大地に
足を踏み入れることは無いんじゃないか?」
四六時中、それを考えていてた。
大きな決断は、ふとした時に、そうしよう。と思うものである。
日本一周、世界一周をすると決めたときもそうだった。
特に理由はない。
「行きたい」と根っから思ってると確信したときに、やっぱり行こうと思っただけである。
もちろん、リスクはある。危険な街も通る。
もしかしたら死ぬのかもしれない。それぐらいの覚悟はしていた。
ただ、危険を回避するための最大限の準備はすることにした。
そう決断したときに、やっぱり自分は旅するのが好きなんだ、と思って気持ちが軽くなった。
自分だけでなく、世界一周の旅をするときにアフリカに行くか、行かないかの選択は
旅人にとって、とても大きな選択である。(アフリカへ行く旅人は少数派)
その後の人生も変わってくるのかもしれない。
「アフリカの大地を踏んだものは、いつか再びアフリカの大地を踏むであろう」
そういった言い伝えがあると旅人から聞いたことがある。
確かに今まで出逢った、アフリカを旅してきた者たちは
何か他の人とは違った雰囲気があった。
言葉では表現しにくいが、なにか覚悟をしたことのあるもの特有の雰囲気である。
「アフリカの大地を踏む。」
その選択をしてしまった自分は、やはり根っから旅人だなと思ったのである。
実は、この選択によって南米ボリビアのウユニ塩湖(世界一の絶景と呼ばれる)の景色は諦めたのである。
その景色を見れるシーズンに行くには、もう南米へ出発しないと厳しいからだ。
これからアフリカを周り、南米へ行ってからでは最高に楽しみはしていたのだが、諦めざるを得ない。
まあ、アフリカのほうが良い経験になるであろう。
僕にとっては、旅の第3章が始まった気がしていたのである。
世界一周の旅の始まりが第1章とするならば
イランで盗難に遭い一眼レフ・iPhone・パソコンを失ったのが第2章
それでも、イランが大好きだ。 盗難事件により、電子機器全消滅の巻
そして、覚悟を決めアフリカ大陸を旅するのが、第3章である。
見えてきた!
アフリカ大陸!!!!!!
船で1時間ちょっととは言え、スペインの雰囲気とはガラリと変わった。
あっさりとした入国審査を終え、意気揚々とアフリカの大地を踏みしめる。
モロッコの公用語のアラビア語は、なに1つ理解できない。数字もわからん。
本当の旅は、これからである。
次回
『 モロッコの迷宮都市フェズ ~アフリカ1各国目~ 』
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